エンジン編 エンジンの巻 その1


さて、このエンジン、駆動系その1で開いてみた時に

ピストンが真っ黒で吹きぬけまくりでしたよね?

覚えていない方はこちら


まぁ、リングが痩せてしまっているのでしょう、見事な焼けっぷりです。

普通はどうかと言うと、ピストンリングから下は、あまり色が付かないんですよ。

ある程度乗っていれば当然色が付いてくるのですが、ここまで黒いのは

普通じゃ有りませんね、セッティングも濃いですね~

でもこれ、ZXキャブ入れる前からこんなだったんですよ!


そこで今回は、新品ピストンを奮発する事にしました。

普通にノーマルを入れるのもつまらないので、圧縮アップを狙って

JOGZRのピストンセットを使いました。

こちらの方がピン上の長さが3mmくらい高いので圧縮比が上がるのです。

台湾製はあまり精度が良くないのでヤマハ純正を使います。リッチ!?

どうせなので、ピストンピンと、小端ベアリングも新品を奢ってやります。


・ピストン(JOG-ZR

・ピストンリング(JOG-ZR

・ピストンピン(GYRO

・ピストンクリップ(GYRO

・小端ベアリング(GYRO

出費:4500円位
部品番号は写真で判断してね?・・・・


ピストンを組むのには、別に注意点は特に無いので普通に組みましょう。

ここでは一般的なゲンチャリのピストンの組み方について述べますね。

写真も無いし、そんなの知ってるよって人は読む価値有りませんので飛ばしてね。

(詳しい人は絶対に読まないでね、恥ずかしいので)


まずピストンを全体的に軽く撫でてみましょう。

ピストンにもしバリがあるなら、バリ取りしてくださいね。(今回は特になかったけど)

まぁ、800番程度のヤスリで軽く擦れば、すぐ落ちると思います。

台湾製は気合が必要かもしれませんけど。


バリが取れたら、ピストンリングをピストンへぶっこみます。

ピストンリングは、ペーパーで角を軽~くこする人も居ますね、

これはお好みと思いますが、まぁやる場合でも、1000番位のペーパーで

本当に軽く撫でる感じで、ヤスリを往復させない程度で十分と思いますよ!

無論、シリンダーに当たる面はペーパー禁止ですよ!!


リングの水平面にTマークがある場合は、そっちが上側となります。

両方あるぞとか、そんなのねーよって場合はどっちでもいいでしょう。

ジャイロの純正ピストンリングの場合、形状が2個とも違うので気をつけて下さいね。

しかも、年式によってはエキスパンダがある場合もあります。

エキスパンダは下側のリングの内側に入れてね!

リングの合口の反対側を下側のピストン溝に合わせて(届かなければ上でも可)

両手の親指で合口を広げるように、人差し指は合口の正反対側

に当たるリングをコントロールしてやる感じで使います。

あまり強い力を掛けるとリングが変形するか、割れますよ!!

でもあまり力を入れないと広がらないので、ピストンの壁面を

リング端で擦ったりしてキズを入れてしまうことが有るので

ある程度の思い切りも必要です。まぁ、慣れです。頑張って!


んで、下から先に嵌めて、次に上のリングを嵌めたらオッケー!

まぁ、判りますよね?下から先に入れて下さいよ??

いきなり2段目に入れるのが怖いと云う人は

一旦1段目に入れてから、そのリングをもう1

その下の2段目へ移動させるようにしてあげれば大丈夫です。

んで、リングの合口をピストンのリング溝内にある

ピンの位置に合うように回してやりましょう。


両方入れたら今度はピストンをクランクに付けますけど

その前にやることがあります!

ピストンのリング溝にオイルを垂らしておきましょう!

それからピストンピンの入る穴にもオイルを塗布しておきましょう。

まぁ、イラネーって人も居ますけど、おまじないって事で。

組んで速攻焼きついたら、悲しくて立ち直れないから・・・


それから、ピストンのクリップも先に入れましょう!

とは言っても片方だけですよ!しかも、入れる方向が有ります。

ピストンをちゃんと排気方向にあわせて下さい。

JOGピストンの場合、豚鼻が開いている方が後ろ側です。

普通はEXの打刻とか矢印の向きが排気側です。

そして、キャブが付いてる方、判りますよね?

そっちのクリップが猛烈に入れにくいので最初に入れちゃいましょう。

ピストン単体で手元にあるときなら、簡単に嵌められますよね?

入れた時にパチンと音がしたら成功。しなかったら?

クリップを1回ぐるっと溝に沿わせて回してみましょう。

大丈夫ですか?クリップが曲がっていませんか?

曲がりが有る場合、走行中に脱落して焼きついて終了します!

クリップは21円とかなので、余分に買っておきましょう。

うまく行ったと感じない場合は、新品でやり直した方がいいですよ!!


コレでピストンは準備が出来ました。

次に小端ベアリングを交換します。これは簡単ですよね?

元々オイルが付いてると思いますが、一応自分でも塗った方が良いでしょう。

交換したら、いよいよピストンを組みます。

ピストンピンはピストンに入れる前にオイルを塗っておきましょうね?


小端にピストンピンの穴をあわせてあげてから、ピストンピンを

エンジンの右側から入れていきます。(ファン側ね)

きついと感じるかもしれませんが、やさしく入れて下さい。

位置がどんぴしゃで合えばするっと入ると思います。

スルッと奥までピストンピンがピストンに入ったらクリップをつけます。

クリップを曲げないように気をつけて嵌めて下さいね。

入れた時にちゃんとパチンと音がするか確認して下さいね。


さぁ、これで準備は出来ました。シリンダーをぶっこんじゃいましょう!

と思った人は残念。ブッブー!ハズレです(笑


折角新しいピストンを入れたので、どうせならシリンダーの

面取りもしましょう!何だそれって人は覚えて下さい。

シリンダーを手にとって中を覗くとポートの穴が見えると思いますが

そこに指を突っ込んでみて下さい。素手でですよ!

どうです?角がちくちくと言うか、尖った感触がありました?


それは面取りがきちんとされていない証拠です。

メーカーでは適当にバリを取っていますが、本当に適当です

たまにメーカーでバリ取りした際に、シリンダーの内面に

リューターの歯をを走らせてしまった痕が付いてる場合もあるくらい適当です。

この角が指で触ってチクチクを感じない程度に仕上げます。

800番とかその位のペーパーで擦れば良いでしょう。

あまりしつこくやりすぎるとポートタイミングが狂いますからね!

指で撫でながら、確認しつつやって下さいね。

今まで走ってたんだから、問題ないだろ?って思う人は

どうぞご自分で思うように組んでください。

ポート加工やボアアップした方は、この作業は必須です!


チクチクが無くなったと思えれば完了です!

まぁ、そんなにやすらなくてもチクチク感は消えると思いますよ

俺はポートの穴に対して左右に人差し指を動かす感じで

指の腹を丁度ポートに押し込む感じでやります。判るかな?

大きいポートなら、角を擦る事を意識しながらやれば大丈夫でしょう。


さぁ、まだ有ります(笑

使い古されたシリンダーですから、表面がつるつるになってませんか?

シリンダーの表面が、鏡面加工のようになって来ていたら注意!

よく車のオイル添加剤などに表面をつるつるにしてフリクションの低減とか

いわれてますけど、あれは4ストの話ですから!

2ストはオイルが命!

ここはホーニングといって、ヤスリでシリンダーに対して斜め45度で

ゴシゴシしてあげた方がいいです。

クロスハッチと云う奴ですね、45度にこだわる必要はありませんが

気持ちとして、斜め45度を意識して800番程度で軽くヤスリ掛けしましょう。

勿論やりすぎるとクリアランスが広がってダメになるので程々に。


さぁ、これでやっと本当に準備は出来ました。

ピストンとシリンダの内壁には指でまんべんなくオイルを塗って下さいよ?

なるべく薄く塗る感じで、丁寧に・・・


いざ、本番です(笑


ピストンに嵌めたピストンリングを片方の指で押さえて

その際にしっかりとピストンリングの合口をピストン溝の突起に合わせて

反対の手で持ったシリンダーを上からゆっくりと下ろしていきます。

どうです?引っかからずにすんなり入りましたか??

引っ掛かりを感じたりしたら、すぐにやめて下さい。


ちゃんとピストンリングは押さえられていましたか?

合口が溝にあっていることが重要です。

不安なら一度両手を使ってびしっとリングを押さえてみて下さい。

ピストンの外径とほぼ同じ外形までしっかり収まるはずです。

そうやって、面一になる感覚を手で覚えて下さいね。


しっかり合口があっていれば、シリンダーはすんなりと

奥まで入ります。入らない場合は、リングの順番などを

きっちり確認しなおしてください。


さぁ、ここまでくればあと一息です。

まぁ、念には念を入れてシリンダーヘッドのあわせ面にひずみが無いか

ガラス板に乗せたりして確認しておくと良いでしょう。

そのままガラス板へおもむろに紙やすりをガムテで固定して

ヘッドを擦りだすと圧縮比がさらに上がる事になりますが(笑

まぁ、そこは自己責任で!ピストンが当たらない程度にお願いしますよ?


シリンダーヘッドガスケットを乗せて、シリンダーヘッドを置いたら

スタッドボルトを上から乗っけてあげましょう。

適当にラチェットのこまを使って、かるーーーーく仮留めします。

この際、シリンダーが手で動かすと左右にがたつく程度にして下さい。


仮留めしたらヘッドからプラグを外して鬼キックです!

10回くらいスコスコして下さい。これでセンターを出すんです。

そしたら、ゆっくりとずらさないようにラチェットのコマで4本均等に

軽く、少しずつスタッドボルトを締めていきます。

これを何回か繰り返して、ガタが無いくらいまで締めたな、と思ったら

出来ればトルクレンチで、4本を対角線順に

0.6k,0.8k,1.0Kと云う感じで順番にトルクを掛けながら

増し締めしていってあげます。これ大事。

少しずつ、均等に締めないとひずみが出ますからね。

均等に締める為にはやっぱりトルクレンチがあるといいですよね~

まぁ、無ければ手ルクレンチで、自分の感覚を信じるしかありませんが。


ま、そんな感じで今回も普通にピストンを組んでみました。

さぁ、コレで圧縮も上がってパワーも復活だぜ!

結果は前述のとおりでしたが(爆

でも、ノーマルマフラーに戻したら、それなりの加速が得られましたよ。

明らかに、前の状態よりは良くなってます!!

しかしこんなもんじゃまだまだ満足できません・・・今後どうするか・・・

うーん、何が悪いのやら?

きっと何処かが決定的に悪いんだと思うのですが・・・(謎


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